PARIS TRAVEL BOOK Capture5 : ノートルダムの怪物たち
パッサージュのホテルは窓からの景色が重要かも。最上階からの景色は夜も朝も期待を裏切らない。乙女の気分を満喫させるこのホテルは大正解!
パリの居住空間は狭いのか?
パリの住まいは比較的狭いとは知識として知っていた。バブル時代と呼ばれた頃、日本のおうちは「ウサギ小屋」と欧米からは揶揄されていたが、「花の都・パリ」に多くあるプチホテルは、(部屋が小さいということではなく、規模が小さいということ)間違いなく日本人の私たちにも狭いと感じる「ウサギ小屋」と思う。私たちが泊まっている二つ星ホテルは、スタンダードの上のスーペリアクラスを取ったおかげで、十分なスペースで、スーツケースも二つ広げることが出来るし、お風呂にはバスタブも付いていて、お湯も申し分なく出るが、それでも欧米の大柄な人には手狭に感じるだろう。 パリに住む人の典型的なアパートメントはどのくらいのものなか覗いてみたくなった。
日本のビジネスホテルに慣れている私にとって、この部屋は狭くもないし、煙突の眺められる観音開き戸はあるし、お値段を覗けば、おとぎ話に出てくるお部屋であることは間違いないけどね。
一つ心配していたのは、お湯の量。日本人はお風呂に入るのに、ふんだんに湯水を使う。途中でお湯が出なくなることはあるあるの話。いくら夏とは言っても、バスタブがあるお部屋で、お湯が出なくなるなんて悲しすぎる。でもここは大丈夫だった。給湯設備は17世紀のままではなさそうだ。ただし、例にもれずエアコンはない。扇風機が置いてあった。湿度が少ないので窓を開けていれば過ごせるが、今の地球温暖化と異常気象を考えると、これからは必需品になるのかもしれない。

すっかり陽が落ちるのは、深夜になってから。初めてのパリの夜は満月。ホテルの窓から、うっとりと夜を楽しむ。
もし、冬に来たら、この煙突から煙が上がる景色が見られるのだろうか?なんともノスタルジックな話。来る前に観た映画ではそんなシーンがあったが、環境には悪そうだな。
で、窓。開けっ放しで着替えてもまったく気にもならない。
パッサージュの屋根の向こうはファサード、ベストウェスタンホテルの裏側。見られても平気!なんて景色を絵画のように楽しんでいたら、思わぬ敵が!
窓から侵入を試みるハトポッポだった!
3日目の朝はバラ色に染まった!

早起きしたら、びっくり!
あでやかなバラ色の光に包まれるパッサージュの通路。何事かと思った。
まだ6時前の窓からの景色。
不思議な色から2日目のパリは始まった。(日本出発から3日目)

このホテルでは、どこでも自由気ままに現れたり消えたりする居住者がいる。
フロントのソファの上、廊下の隅、時には家具の横の置物になっていたりする。
白髪が混ざった黒猫。触らせてくれるが、まったく愛想はない。廊下の端で丸くなっていたりすると思わず踏みつけそうになり、びっくりする。そして、みんなに愛されているのは間違いない。
名前はクラリネットという。老猫のようだが、なんだか17世紀から生きていそうなしっくり感がある。
Day 3 The 観光客、焼け跡と修復を見に行く。
さて、本日の予定は。。。プラン票を確認してみると。。。
スマホ、アプリ、なるものが日常化してくると、なんでもかんでも予約となる。特に環境問題やオーバーツーリズムが問題視されている今、人気の場所は予約システムと事前の支払いの設定が徹底している。いい調子で、あそこも、ここもと欲張るとかなりの出費になる。贅沢旅ではない場合、どこに予算をかけるかという点も大事な要素。
せっかくだからと奮発する、お買い物が大好き!というのなら、プラスアルファの予算はかなりの額を覚悟した方がいいでしょう。
がんじがらめはつらいかなと思いつつ、奇跡的なことに、ノートルダム寺院は予約も必要ないし、なんと無料という夢みたいなところ。観光地であって、その存在意味はけっして観光地ではない姿勢を強く感じる。
2019年、修復工事中のノートルダム大聖堂が炎上した映像は衝撃的なニュースでしたが、燃え落ちる鐘楼の画はパリっ子たちに大きなショックをもたらしたことは想像に難くない。フランスが燃えているとまで言われたほど、この教会はフランスの歴史の大きな舞台になってきた場所。
オリンピックまでにはとマクロン大統領は強く語っていたが、2025年現在、公開はされているが、工事は終わっていない。
どう考えても混むに決まっている場所に予約なしで行くなら、朝早く行くしかないと早起きしましたよ。
行き方については、google map のお助けは心強い。が、けっしてスマホ画面を凝視にならないように、まわりキョロキョロもスリの餌食にならないようにと、いざ、出発。目指すは公共のバス。
東京に住んでいると、なんの意識もせずに地下鉄に乗っているが、考えてみれば、交通手段として割り切っているからに過ぎない。ザ・観光客にとっては、その街を見ることも大いなる楽しみ。バスに乗らない手はない。
ヨーロッパではバス路線はとてもよく整っていて、バスを乗りこなせれば、一人旅や個人旅行の楽しさは果てしなく広がる。
パリは大都市だから、庶民の足として細かいところまでよく発達している。バス停はとても分かりやすく、路線番号が表記されている。一方通行が多いので、車の流れる方向と、自分の目的地の方向さえ分かれば、そう難しいことはない。すぐに分かるようになる。問題はなし。
バスに乗ろう!大事なのは「ボンジュール!」
バス停は日本とあまり大差はない。上部にBUSと丸い目印、その下に路線番号が表記されている。同じ番号を表記したバスが来たら、手を上げて乗る意思を伝えましょう。
前乗りで、大事なことは、おフランスの人は挨拶を大事にする。まずは運転手さんに笑顔で「ボンジュール」とあいさつしましょう。笑顔でね。(パリではこの挨拶はとても大事です。)乗って、大抵は右手側にチケットをかざすパネルがあるので、そこにナヴィーゴをかざせばOK!
あとは、社内の掲示板で示されるバス停を確認して、降車ボタンを押す。これも日本と同じ。ただし、古い車両はこのバス停の文字を表記する電光掲示がないものもあるので、降りるべきバス停は認識していないといけない。アナウンスある、が、当然フランス語。私たちの知識のアルファベット表記と発音が全然違うので、そういうバスに乗った時は、景色と地図を見ながら降車ボタンを押そう。大丈夫、難しくはない、すぐに慣れる。「行けば分かる。乗れば分かる。」というやつです。
バスは楽しい。景色もだけれど、乗っている人たちにも様々で面白い。なにより、地元人になったみたいな生活感が感じられて、旅人としての何かお得感みたいなものを感じてしまう。
中世のおとぎ話のようなゴシック様式の建物と、煙突の林を抜けてバスはくるくる走る。欲を言えば、窓ガラスはもうちっときれいにお掃除していてくれるといいな。
最寄りのバス停(のつもり)で降りて、シテ島を目指して歩き始める。ちなみに見学が再開されてと聞いて、すっかり修復が終わっていると思い込んでいた私は、ちょっとがっかりなことになりました。
こんな豪華なゴシックスタイルの建物がフツーに並んでいるパリの街。スフィンクスに守られている塔。割といる(?)スフィンクス。歴史的な意味をイマイチ知らずに。パチリ。
3日目してやっと見られたセーヌ川。遊歩道がきれいに整備されている。蔵前や両国の隅田川にも遊歩道があるが、ゆったり感がまるで違う。セーヌ川沿いがすべて美観地区って感じ。
通って来た歴史の中で川の風景も国によってちがうものだわね。
パリの中心ってどこか知ってる?
バスを降りて、まっすぐ進むとシテ島が見えてくる。ここには、大勢の観光客がひしめいているのですぐに分かる。夏休みの時期なのか、子供たちの姿も多い。世界中の観光客が朝早くから集まって来ているけど、よしよし、団体客が訪れるにはまだ早い時間なのか、予約なしの行列もすいすいに流れている。

見学再開と聞いて、すっかり勘違いしていたの。塔や鐘楼まで見られると思ったら、そこはまだ工事中。見られるのは、西のファサードから入り、中の礼拝堂だけ。南側は塀で覆われ、塔にも登れない。広場から上を仰ぐと、塔に人の姿が!えっ!人、いるんじゃない。と思ったら、そう、工事人でした。考えてみたら、塔が予約なしで見られることはないよね。
東京都庁はノートルダム寺院がモデル、、、なのだそうだ。
ノートルダム寺院は、フランスの歴史のいくつもの重要なステージの舞台になった場所で、フランスの魂とも言われている。この火災は、フランス人にとってとてもショックなものだったらしいが、私個人にとっては、美しい建築様式と、豪華なステンドグラス、そして、この建物をモデルにしたという、東京都庁のビルとの見比べに興味があり、歴史的な感慨はあまりない。
ノートルダムに棲むガーゴイルとキマイラと怪物の関係。
が、キマイラと呼ばれるギリシャ神話に出てくる怪物たちにはとても興味があって、焼け落ちないで残ったとのことでそれが楽しみだったのだけどね、残念、塔に登れないので見られない。首がへし折れるくらいに見上げると、いくつかのガーゴイルと呼ばれる怪物らしき彫刻を見ることが出来る。
ガーゴイルとキマイラの違いは、ガーゴイルは雨どいの意味で、建物の浸食を防ぎ、雨を口から吐き出している彫刻のこと。キマイラは日本では"キメラ”の方が通じるかもしれないね。ギリシャ神話の中で、頭がライオン、体はヤギ、尾がヘビの姿、火を吹く恐ろしい怪物として描かれる。ガーゴイルのキマイラも見えるらしいけど、なんしろ1階だけでは良く分からない。ちょびっと残念でした。
正面の南側の壁に沿って、ガーゴイルが並んでいる。下の画像の左上に豹の首のようなものが並んでいるのが、ガーゴイル。口から雨水が排出されて建物に直接水がかかるのを防ぐ。寺院の南側はのぞき込むだけで近づけない。クレーンがあって、壁はブルーのフェンスで覆われている。
右手は宝物殿、その後ろは鉄骨が組まれてどのようになっているのか。


このガーゴイル(雨どい)は、ここだけではなく、いろいろな寺院でみることが出来る。
絵葉書でも有名なノートルダムのキマイラの像は、正面入り口の北塔の端にいる。
塔に登れないので豆粒のように確認出来るだけ。コンパクトデジカメの望遠で撮ってやっと撮影できた何枚かを載せます。
ようく見ると、頬杖をつくもの、吠えているもの、様々な表情が物語を感じさせます。
パリのポイントゼロ地で祈る。


豪華なステンドグラスとシャンデリア。お祈りも自由に出来ます。貴重な予約不要、入場無料の場所です。
1階の礼拝堂だけしか見学できないので、20分~30分のコースです。これを見るのに30分以上並ぶのはちょっと嫌ですね。特に今年も異常気象でとても暑いパリです。(6月なのに30度くらい)早い時間に行って正解でした。
実は、パリの中心がここにあります。大聖堂の広場の石畳をよく見ると、八角形の星印の石畳があるのですが、そこがポイント・ゼロと言われるパリが生まれた場所です。パリっ子にとってここが大事な場所だってわかるよね。
古代はここにケルト系のパリシィ族が住んでいて、その名からパリ(ス)となったらしい。まさに、パリ発祥の地点がこのノートルダム前の広場。歴史の場所にいるんだなぁ。距離を測るのもここが基点。そういえば、日本でも東京から〇〇キロって標識の基点はどこか知ってる?
答えは日本橋。なんと日本橋の上にもプレートが埋め込まれていた!道の真ん中なんですけど。パリと東京ってなんとなく似てる。
私たちは、こういうところでもぐずぐずしていてすでに1時間半以上は滞在している。。。。見どころは見渡せば全部見どころなんですよね。パリの煙突に恋しているので、周りの景色には魅力的な煙突がいっぱい。惹きつけられるものばかりです。

そして、ここの広場の端に目立たないけど、カール大帝の聖堂が威風堂々と建っています。
カール大帝はフランク王国を建国し、「ヨーロッパの父」と呼ばれるほどの名君で知られた人物。
ナポレオンが発注したものらしいが、出来上がって来た時に、すでに彼は失脚していて、広場の真ん中ではなく、端っこに置かれてしまったとか。。。。
足を止める人も少なく、観光客たちにもスルーされている。
そう、時代とはそういうことだわね。
感動的なパリの自転車レーンに日本は学ばないのか???
渋滞で知られたパリですけど、私の滞在中には、幸か不幸か大渋滞には遭遇しなかった。もしかしたら時間帯なのかもしれないし、渋滞ポイントをたまたま通らなかっただけかもしれない。
が、それでもかなり感動した景色があった。
それはキチンと区分整理された歩道と自転車道路、そして車道。
パリは一方通行が多い。生活している人にとってはどのくらいメリットデメリットがあるのか知らないが、ここに作られた自転車専用道路は素晴らしいなぁと思う。様々な電動の乗り物が出て来て、日本でも規制が急がれているけれど、東京の自転車レーンの恐ろしさは、だれが見たって命がけ。
子供たちがあの狭い青い矢印のレーンを走るかと思うとゾッとする。
都庁周辺と臨海地域はかなり広く幅をとって、標識も大きく分かりやすいけれど、そもそも自転車ゾーン自体を意識している車やバイクのドライバーは少ないと思う。車幅が狭いところにさらに狭いペイントされているだけだし、現にその上に駐停車している車もめずらしくはない。とてもスムーズに自転車が走れるとは思えない。そして、暴走自転車も含めて、殆どが歩道を走行している。

それに比べて、どう?パリ。自転車やキックボードの人たちにとってこの道幅の広さ。歩道、自転車レーン、車道を色分け、縁石の設置。中世からの街並みもここまで出来る。東京はなんで出来ない?
メインの道路に於いては、ほぼほぼ自転車専用道路が設置されている。パリにも小径や路地がないわけでもない。でこぼこの段差だらけの狭い歩道もある。が、狭い道路についてはどのような条例(法律)があるのか。少なくとも、街歩きをしていて、自転車などに煩わされることはなかった。
時々、若者たちの華麗すぎるキックボードのスピードにはっとさせられることはあったが、レーン以外の場所を走り抜ける行為にはお目にかからなかった。2026年春から日本も自転車等については法律が厳しくなるって聞いているけど、その前に環境整備じゃない?って思うよ。
ブキニストという歴史

ぶらぶらとセーヌ川に沿って歩く理由は、ブキニストという古本屋さんを見てみたかったから。
バラックのような緑色の箱がセーヌ川沿いに並んでいる。中には営業は難しいだろうと思うほどに老朽化して朽ち果てているものもある。時間は午前10時、早かったせいか、ほとんどの店は閉まっている。2024年のオリンピックの際に、すべて立ち退きの憂き目にあうはずが、おおいなる反対運動の末に残された。
あのセーヌ川の入場行進を見学するとなると、確かにこのボックスは邪魔になっただろう。が、たった数時間のセーヌ川の美しき入場パレードのために、パリの人々は450年の歴史を壊すことを許さなかったのね。
古本屋さんといいつつ、実際は殆どがお土産屋さんになっているようだ。
ブリキのボックスのような箱には鍵もあるが、中に本とかを置きっぱなしにしているとしたら、かなり品質管理は悪いと思う。実際に開いているお店を覗くと、なにやかハリーポッターの映画の中に出てきそうな、厚表紙の本が並んでいたり、ポスターや、水彩画(印刷なのか不明)などが、ビニールを掛けて吊り下げられていたりしているのだけれど、風雨にさらされている感があって、これで商売が成り立つのかしらといらぬ心配をしてしまう。

パリの歴史の中で密かに政治色の強いパンフレットが配られたりした時代もあったそう。古き良き時代の切り取ったような風情は、パリの風物詩としては悪くない。生きていなかったはずの過去の情景も浮かび上がってくるような不思議な時空が感じられる景色。
セーヌ川に沿って、のんびり歩いて行きたい。が、暑い!絶対に地球温暖化が進行している!
一年で一番日が長くて、さわやかで過ごしやすいというのも過去の話かもしれない。湿度が少ない分だけに日本のような蒸し暑さはないけれど、汗、だ~らだら。帽子と厚地のタオルハンカチは必須ですよ!
次回、the 観光客はカフェを体験します。お楽しみに!




















