今や貴重なお風呂屋さんという商売
銭湯と温泉はちょっと違う、ね。

なんだかもアジアっぽい、日本の伝統的な家屋です。さて、この建物は何でしょうか?
ヒントは高い煙突と、
この「ゆ」の文字です。
昭和時代には、ごく当たり前の景色でしたが、今はもう貴重な建物です。
おふろ屋さんと呼ばれましたが、令和の今は、サウナが併設されたり、近代的な建物にリニューアルされたり、スーパー銭湯とかスパとか、その姿も多様化されてきました。

実は勇気がいる銭湯文化!?
海外からの旅行者が行きたい場所のトップに上がるのが温泉です。
今、アジア圏からの旅行者の間で、東京の銭湯めぐりも人気があるそうです。
銭湯と温泉、どうもごっちゃになる外国人も多いようですね。
これはまったく別に考えなきゃいけません。
銭湯は公衆浴場。お金を払って、お風呂に入る場所、つまりシステムです。日本の銭湯は男と女と別々の入り口があって、中に入ると中央に「番台」と呼ばれる、高い席が設えてあって、そこを中心に衝立が伸びて男湯と女湯を仕切る壁になっています。
席が高い理由は、番台にいる人だけが男湯と女湯を見渡せるようになっているから。利用者は番台に座っている人にお金を払います。
1回分のシャンプーや、タオルなんかも売っています。
「番台」からは全部を見渡せるので、下心のある男はお金を払うときに、背伸びをして番台越しに女湯を覗こうとする。典型的な昔の笑い話です。
番台には従業員が交代で座りますが、やはり銭湯に通うことが当たり前だった頃は、「番台に座ってみてぇなぁ。」男性の夢の職業(?)であったわけです。
温泉は、お湯、そのものを言います。(日本で温泉と呼べるにはいくつかの定義があります。)なので、温泉を使った銭湯もあります。
1960年代くらいまで、日本の一般家庭にお風呂がないのは普通でしたので、殆どの人がお風呂屋さん、つまり銭湯に通っていたんですよ。
今でも温泉地などでは、町や村で管理している公共の温泉のお風呂があり、家にお風呂があっても、公共の温泉に通う人も多いようです。こういう場所は温泉であり、銭湯でもあるわけですね。旅行者が利用できる施設も勿論あります。温泉地にいったらぜひトライしたいですよね。
でも、混浴だったり、外から丸見えだったり、場合によっては、かなり勇気がいるかもしれません。
脱衣所で怖気づく!
実際に良くある話ですが、「温泉に入りたい」が目的で日本へやって来る旅行者が、いざとなって凍り付く場面があります。
混浴だったり、外から丸見えの露天風呂というわけではなく、ごくスタンダードな男女別の銭湯や温泉の施設です。
今は貸し切り露天風呂などもありますが、やはり公衆浴場の醍醐味は、プールのような大きな湯船にゆったりと浸かることです。が、私の知る限りでは、こうした日本の公衆浴場を楽しめるのは、台湾とドイツの方たちだけでした。
私も世界中の人と知り合いではありませんから、他の国からの人も抵抗のない人もたくさんいると思いますが、温泉で有名なハンガリーでも現地では水着着用のところが殆どだったし、お湯の温度もかなり温いものでした。
さ、お風呂に入ろうと、中に入ると、脱衣所があります。当然、衣類を全部脱ぐのですけど、そこで、あ、これムリ。って思う人がけっこうな数いるのです。
多くの国の人たちは、見知らぬ人と裸でお風呂に入る、という習慣がありません。それどころか、家族であっても一緒にお風呂という習慣もありません。よく日本で、お父さんが、娘と幾つまでお風呂に入れるかなぁなんて話。世界の中では、即、幼児虐待と言われても文句は言えない話だったりするのです。なので、人前で裸になるという行為にとても抵抗があるのだそうです。日本でも銭湯などにいったことのない子供は、修学旅行でみんなとお風呂に入れない子供もかなりいるそうなので、要は習慣ですよね。
良い例え話とは言えませんが、私自身も、中国の田舎に行ったときに、ドアのないトイレで、待っている人と対面の方向で座って用を足すということ、ひどく難しかったことを思い出します。異文化では当たり前は、時としてショックなことだったりするのです。
銭湯や温泉が楽しみ!という海外からの旅行者でも、脱衣所からUターンという人も残念ながらいらっしゃいます。
銭湯は難しいですが、温泉旅館やホテルなどでは、いくつかの小さなお風呂場を貸し切りしているところもありますが、大浴場の醍醐味、味わって欲しいですね。

シャワーにホースがついている謎。。。
海外、特に欧米に旅行すると、シャワーにホースが付いていないことは珍しいことではありません。
壁の側面についている、または、天井についているレインシャワーと呼ばれるものもあります。
レインシャワーについては、最近、日本のホテルでも見かけるようになりました。
が、日本では、基本シャワーにはホースがついています。
銭湯(おふろ屋さん)も例外ではありません。
日本にいると、シャワーにホースがあることに何の違和感もありませんが、ほら、外国の映画なんかのお風呂のシーン。
片手でシャワーを持って、というより、雨のように降ってくるお湯を浴びて両手を使って身体を洗っていたり。。。
そもそも、石鹸をタオルにつけて、身体中くまなくこすり洗いをするなんてこと、日本以外だと韓国くらいでしょうか?
そして、デリケートが部分や、足の裏や踵まで丁寧に洗うとなると、やっぱり座るしかない。
昔は、シャワーなんてなくて、桶にお湯を組んで静かに身体に流していた。
公衆浴場ですから、隣の人に飛沫がかからないように気を付けていたんですね。
今や、シャワーは普通ですが、座ったまま、シャワーを身体に近づけて、まわりに飛沫が飛ばないように石鹸分を洗い流すわけです。
時々立ってシャワーを浴びている人が時々いますが、あれ、実はとっても迷惑なんですよね。隣にいる人のこと考えての所作。
公衆浴場のに一つです。
そして、きれいに石鹸分を流すこと、これもとても大事。桶(ボウル)にお湯を注いで、細かいところも洗い流すわけです。
そうすることで、大勢が湯船に入っても、お湯もきれいに保つことが出来ます。
プールみたいに、先に身体を洗わず、お風呂に飛び込むなんて、絶対ダメダメ、大ヒンシュクです。
昔は、みんなで共有のお湯のお風呂に入るなんて、お互いの汚れをこすりつけているようで、何て不潔なんだって海外の人に言われたりしましたが、
日本には、共有のお湯をみんなで楽しむためのマナーがあること、だんだん浸透してきて、世界中の人が楽しめるようになってきました。

タトゥーがNGな理由
さあ、脱衣所で裸になったら、お風呂場へ。もちろん裸足ですよ。浴用タオル(フェイスタオル)だけ持って、いざ浴室入りましょう。
ちなみに欧米のフェイスタオルは日本の浴用のものより短くて厚地です。お湯にぬらして体を洗う用途では不向きです。
日本の浴用タオルは日本ではファイスタオルと呼ばれますが、欧米のそれとは違い、薄地で長さもあります。
日本人がお風呂場で背中を洗う姿、チャンスがあったらぜひ真似してみてください。
ところで公共浴場、プールなどで、ほぼタトゥーが禁止です。
去年の夏、薄着の季節に、私が出会った外国人たちは、男女問わず殆どの人がタトゥーを入れていて、ファッションなのか、ポリシーなのか、はたまたトライバルなのか分からないのですが、日本の銭湯ではNGです。
私のドイツ人の友人は、タトゥーは言語として発達したものとか、アートだとか、日本人の考えは間違っていると論じていましたが、日本では言語でもなく、ある意味アートとは個人的には思うけど、アートとしての伝統的なバックグラウンドはないのですね。
良い悪いかは別として、タトゥーをファッションとして受け入れる若者は日本にも数多くいますが、就職や結婚などの際に、苦労して消す人もとても多いのが実態です。日本社会の中では、派生の歴史的な背景から、今でも反社会的な意味を持つことがあることは知っておくべきですね。
銭湯によっては、タトゥーを隠すシールを用意しているところもあります。
それを使えばOKだと思うのですが、腕全体や、両足すべてにタトゥーをいれている人もよく目にするんですが、そういうのを隠すとなると、シールでほぼ全身を覆うことになりそうで、お風呂の意味があるのかなとも思うわけです。

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