一枚の写真 海が凍り始める瞬間

しゃりしゃりと揺らぐ音の方向をのぞき込むと、それはスカラップの縁取りのあるレースのようだった。

感動は、突然に落とされる

3年に及んだコロナとの戦いは私たちの価値観をずいぶんと変えてくれましたよね。旅行はまだまだ模索が続きそう。世界は単なる物見遊山の旅から、環境問題などを考慮したエコツーリズムの模索を続けているようですが。。。。

 

それがたとえ、自分がずっと夢見た景色や食べ物であっても、たまたま選んだパッケージツァーの切り取られ偶然の一コマであっても、いきなりの感動の場面にに出くわすことは、旅の楽しさを100倍にもしてくれる。

 

塩水は凍らない。動いている水は凍らない。漠然とインプットされていた知識(?)はその景色をみた瞬間に「嘘!」となった。

 

海の水が凍って氷山じゃないの?

そういえば、氷山って、海の水が凍っているんじゃないの?

 

およそ見慣れない光景に出会うと、あれ?あれ?って自分の記憶や知識がずいぶんと曖昧なことに気が付く。

この地球上のことを身をもって知るだけで、とても嬉しい気持ちになるし、思考の幅が広がっていく。

不思議と思う景色を見ただけで、生きていることが奇跡的だと感じるのも、旅という独特の時間や距離の観念のせいかもしれないね。

 

自然現象を見に行く旅行は、なかなか計画が立てづらい。

例えば、オーロラを見に行くとか、鏡のような水面に映る自分を写真にとらえるとかね。

もし運が良かったらくらいの気持ちならまだしも、それが絶対の目的となると、かなりストレスな話になってくる。

見られるまで帰らないくらいの覚悟は必要かもしれないけれど、旅は、何が起こるかわからない。

 

その日、その場所にいる自分が、新鮮な気持ちを持てるのなら、計画なんて何もなくても驚くばかりの「生まれて初めて!」の奇跡が毎日のように起こるものでもある。 

波がそのまま氷るんだってぇ!

波がウェーブを描いたまま凍っていく。

それを知ったのは、ネット情報でもなく、テレビ番組でもなく、たまたまのこの景色を見たから。

これは、真冬の知床半島から撮った一枚の写真です。

寄せる波の形に浜辺が凍る。波間に漂う「はす葉氷」はガラス細工のよう。
寄せる波の形に浜辺が凍る。波間に漂う「はす葉氷」はガラス細工のよう。

決して飽きない自然のエンタティナーショータイム!

海の水も氷る。すこしづつ成長していき、やがて流氷となる。そっか!冬になると北海道に流氷がやってくるって、これか!

オホーツク海は凍る海の数少ない場所とは知らなかった。北極や南極の海は凍らないらしい。ほ~。
当たり前のように、毎年、流氷の画像や映像はよくテレビニュースなんかで目にしていたけど、この波の形に凍る、まるで繊細なレースのような模様を作り上げる浜辺は見たことがなくて、とっても衝撃的で感動的な美しさだったんですね。

 

波の音ってなんとも癒しがあって心地よいでしょ?砂浜に打ち寄せるざざ~って音。どちらかというと夏の涼しげなイメージがあるけど、季節に関係なく波の音は、大きな波も小さな波もそう難しくなく想像出来るものだった。
しか~し、寒風吹きすさぶこの極寒の地では、カラカラ、しゃりしゃりと音が立ち上がる。そう、風に揺られて崖を駆け上る音は、強さがあるのに、儚げで軽やかで、凍みる透明さだ。そう、音にも色や感情があるかのように。

生れてはじめての自然のレース編みの景色に夢中でシャッターを切った。

誰もいない資料館と、観光地の望遠鏡

多分、雪や氷で閉ざされていない時は、修学旅行客などで賑わうのかもしれない。岬の突端にはそれでも小さなお土産屋さん兼食堂が営業していた。
良く晴れた昼間は雪の反射で店内は暗くてよく見えず、曇ったガラスに手をかざし中を伺うと、電気がついていてお菓子などのお土産がならんでいるのか見えるといった具合。湯気の立ち上る台所をみると、シーズンオフでも地元の人々にとっては貴重なお店なのかもしれない。
すこし離れた場所に、本土最東端と書かれた標識の近くに、資料館なるものがあった。
あまり興味がなかったのだが、とにかく寒さをしのげる場所とトイレに寄ろうというだけの理由で、中に入ってみた。そもそもに人気のない真冬の岬にいて、資料館には全くの人の気配はなかったのだが、ちょっと驚いたのは、この資料館、とても分かりやすくよく出来ていた。
スパイラル様になった順路では、北方領土のことがイラストを交えてかなり解かりやすく説明されていて、北海道の人々にとってのこの地の思いが伝わってくる。面白いもので、ひとつひとつ読みながら、通路を進んでいくうちに、だんだん愛国心が生まれて来て、展望台に着くころには、「返せ!北方領土!」と叫びたい気持ちになって来て、自分でも大いにびっくりした。離れたところに住んでいると、知らないことや、感じないことがたくさんあるんだな~と思った。
さらに驚かされたことは、展望台にあがると、すぐそこに見える島がもう日本ではないという距離感。伊豆から見える大島、いや、初島くらいの距離が外国で、しかも、あら~、海外なのね~なんて憧憬が沸き上がる雰囲気はゼロの景色であるわけよ。
だってさ、灰色の観光イメージとは程遠いでっかい軍艦のような船が水平線よりこっちに見えるのだもの。その上、展望台に行きつくまでに目にした説明書きが新鮮にインプットされている。悪いけど、webで検索した内容なんて、閉じた瞬間にほとんど忘れるけど、リアルな文字とイラストで丁寧に読んだものってかなり脳みそに入るものなのよね。え、あそこまで行ったら、問答無用でだ捕されちゃうわけ? 実際はそんなことはないと思うけど、泳いででも行けそうな距離に見える。。。。
よく観光地にある100円入れて何分かの望遠鏡がいくつも並んでいて、引き付けられるように覗いてみると、あらま!100円も入れていないのに、船の上の人の動く姿までわかる距離!リアルな目の前の景色はすごい臨場感。
同じ日本に住んでいても、そこに行かないとわからないことってたくさんある。
興味を持つことのきっかけ、そうだったのかで分かる様々な問題。意識を持つことの大事さ。旅と言う時空の移動をしただけで世界はとても広くなるものなんだ。つくづく新聞やネットの生地だけで知った気になってはいけないと感じる。
単純人間の私は、すぐさま、ぜひぜひ世界中の人に来て欲しいと思った。

旅には絶対忘れてはいけないポイントがある!

ちょうど、このブログを書いている今は、ソ連がウクライナ侵攻を始めて1年が過ぎたところ。
どんな理由があっても、戦争は絶対に否定されるべき。が、世界の正義はどの時代も一つにはならず、戦争や紛争のない世界に生きていたためしがない。
そして、1年前はあんなに連日つらい映像を見ていたのに、今はどこか遠い国の出来事のようにわずかな時間に現状を伝えるだけ。
私たちは、地球人として忘れてはいけないことがある。それは、とにかく興味を持ちつづけること、そして、よく知ることだと思う。
ニュースを見ても、鵜吞みにはせずに角度を変えて、疑うことも大事。
どれが正しいのか、立場が変わって、見る側面が変わればどうなのか、自分はどう思うのか。
これは旅をするのにもとても大事なことになる。
旅に出るのは、当然ながら、楽しみであふれている。が、100%楽しいことばかりってことはない。
スリに会うこともあるし、電車に乗り間違えるような失敗もある。天気が悪くて、期待していた景色も見られないことにがっかりなんてことも。
波が凍る景色を見られたのは本当に偶然で、目的は海でも北方領土の確認でもなかったのですが、ほんのわずかの空き時間と、寒さの中でトイレを探したことで、思いもよらない体験が出来ちゃった!というオマケ。
実は、旅をするということは、オマケの方がずっと印象に残るってことは少ないないんですね。
旅は楽しみでいくのだから、美味しいもの食べてアクティビティをエンジョイできればいいの。そう、もちろんそれでいいと思う。でも、せっかく行くのなら、自分の国のことを誤解ないように知ってもらいたいように、滞在地のことも知りたいではないですか?
国内でも海外でも、見知らぬところに行くなら、知らなかったことを知ったり、信じていたものをいとも簡単に否定されたりするのも、人としてものすごい価値になるわけで、短い旅行でも短期留学くらいの体験は出来ると思う。それは、AIには取って代われないものでもあるはずなんだ。
旅には絶対に大事なことがある。普段、身近にいる人々と全く異なる人々との出会い。基点の違う人々と、いかにポジティブに会話を交わせるかということ。旅人たちにはとても刺激的でたまらない魅力的な体験になるものです。
ポジティブに会話が出来ることが、とにかく大事。そのためには、知識があること、それよりもっと前に好奇心があることだよね。

あとがき

旅の写真も、書く時の時期によって、ずいぶん内容が変わるなと感じる。この写真は、自分のアルバムの中でもお気に入りの一枚なのだが、当時は、あ~、返還されれば、タラバガニがたらふく食べられるのに!なんて思った記憶もある。

考えてみれば、そのもっともっと昔、根室は減船問題とかもあったころに来たことがあったけど、驚くほどの豪華なコンブ御殿なんて呼ばれる家があって、漁協前には外車ばかりが並んでいて、悲惨で深刻なテレビニュースと違うじゃんと鼻白んだ。

そこに行く。旅は自分のイメージをかなりリアルなものに刷新出来る。カニのように脱皮して大きくなる自分を実感できるのは真新しいお洋服を着るようにおしゃれで素敵だ。

自由に旅をしたい。

旅行に行きたいと思ったら、まずパッケージから探すあなた。

そこから、自分ならこうしたいのにと考えることありませんか?

旅行会社はパッケージを作るばかりではありません。専門のスキルを活かして、価値のある個人旅行の作り方をアドバイスします。

まるっと手配を頼むのも旅行会社だけが出来ること。

自分で手配をするのなら、そのノウハウもお教えします。

旅は自分の財産になる体験です。ぜひ一度セミナーにお越しください。