自由に外国を旅しよう! Part 2

海外は危険なんです、か?

テレビとかじゃ女優さんが楽しそうに一人旅しているのに・・・

 世界中で猛威を振るう新型コロナウィルスで、生活様式を変えるといっても、旅行はどうする? リモート旅行もいいかもしれないな。それで気に入ったら、いつか実際の旅をして欲しい、きっともっと感動すると思う。

 今、準備期間としてとして、知っておいてもらいたい旅のこと。そして、いつか密にならない個人旅行にチャレンジしてもらいたいな。

何処から入っても出会う「危険」の文字

 旅に行こうとすると、必ず避けて通れないのが、危険をどうやって極力避けるのか。治安が悪い。路地には入るな。などなど、ネット上でも、ガイドブックにも、こんな例がありました、とたくさんの被害に遭ったケースが羅列されていますよね。

 私も少なからず旅をして、多少は慣れている部類に入ると思うが、それでもそれらを読むと、怖いなって感じる。特に行ったことないところなど、そんな思いまでして行くところだろうか?と思うし、それでも行きたければ、じゃ、パッケージにしよう!って考えてしまう。

 一方で、こんなことでは、いつまで経っても、自由旅行なんて出来ないじゃない。「かわいい子には旅をさせよ」とか「獅子は我が子を千尋の谷に落とす」はどうなのよ!と考えてもみたりする。

美しい水の段々畑のような景色。中国四川省、九塞溝の遊歩道で撮影
美しい水の段々畑のような景色。中国四川省、九塞溝の遊歩道で撮影

どこでも日常の暮らしがあります。

 基本の基本、旅は非日常を味わう極上の休息、あるいは、強烈なカルチャーショックを味わうものともいえるのですが、実際にする行動は、日常の暮らしとそう変わることをしません。一般的には、旅の目的は「観光」だと思います。その中に様々な具体的な目標があるでしょう。留学とかはまた別の話しですが、ここではわざわざ危険区域に行くことは想定外です。例えば、国境なき医師団とか、海外青年協力隊とか、ユニセフ、国連、あるいはジャーナリストたち、こうした方々は、ある特殊な任務、それに関わる多くのプロフェッショナルの関わりの中できちんとした知識と教育、訓練を受けて、使命感を持って危険地区と呼ばれる地で活動をしています。旅というものとは全く異質のものです。

 

 そんなことは分かっているというでしょうが、そんな危険地区であっても、人々は私たちと同じように、悩み、笑い、食べて、働いて、寝てという日常の生活があります。そして、危険地区にだって規制線のようなロープが張ってあるわけではないのです。

 

 日本は安全と言いますが、この国でも、歩行者天国や、駅、バスの中、新幹線の中でも、無差別殺人は起こっています。そんなの稀な特殊な事件だと言うなかれ、海外のテロだって、毎日、そこここで起きているとは限らないのです。

 どこかの国でテロが起きたら、危険!怖い!行かない!とキャンセル続出ですが、新幹線で殺人事件!なんてニュースが海外で流れれば、新幹線は危険!と世界中の人が日本旅行をキャンセルするということと同意です。

 そもそも日本人に被害が出ていない場合、外国で起こる膨大な犯罪や極悪事件なんてよほどのことであったり、時事的に注目されるようなトピックでもない限り、いちいち日本でニュースになったりしません。

 

 この日本だって、スリや置き引き、空き巣などはまれな犯罪でもありません。殺人事件だって、連日ニュースで流れます。確かに落とし物をしたら、出てくる確率は高い言われますが、何の、どこと比較しての確率なのかも疑問です。

 何が言いたいのかというと、旅はそもそも危険地区を選んで行くものではない。例え危険地区でなくても、安全を100%確保できるものでもない。住み慣れた日本だって危険リスクは同様にあるということです。

 つまり、日常の暮らしをきちんとできている人は、どこにいっても最低限の危険のリスクを避ける行為が出来る、十分自由旅行を楽しむことが出来るということなんです。

自分の日常を意識するのが予行練習

トルコ パムッカレの泉 ここも石灰棚。あったかい温泉水の中を歩けます!
トルコ パムッカレの泉 ここも石灰棚。あったかい温泉水の中を歩けます!

  治安の良し悪しは、例えば近所でも知ることは出来ますよね。繁華街に出ても何となく嫌な場所ってあります。気が付かないならば、ぜひそこを感じとってください。なんとなく足を踏み入れたくないような場所です。人々の醸し出す雰囲気とか、景色とか。他にもなんか変とか、悪い予感とか。

 多分、それは日々の暮らしの中の経験などで、無意識にやっていることだと思うのですが、それを意識しておくことが大事です。同時に、怪しい場所はちょっと興味をそそる場所でもあります。その差。どうやって楽しむのか、です。

 例えば、昼間、夕方ならどうなのか、誰かと一緒ならどうなのか、どうにもアウトなのか。もし可能なら、周辺の人に聞いたり、タクシーの運転手さんなどは、いい情報を持っていたりします。もちろん、ネットで情報を集めてもいいでしょう。

 怪しいは避ける、妖しいは覗いて見る。裏通りの面白さはTPOが活きてきます。身近に潜む危険は、ちょっとした油断だったりするのものです。

 日本は安全と言っても、犯罪者は存在します。スリ、置き引き、寸借詐欺、美人局、ぼったくりなんて話は、この国でもよく耳にする話です。残念ですが、どこの国でもこういう人々はいるし、しかも大抵相手はプロフェッショナルです。

 プロから逃れるのはなかなか大変です。が、プロに目を付けられないようにすることは出来ます。

 予防をする方法は、日本で生活している時とそう変わりません。普段の行動や身のこなしです。旅先では、ついボーっとしていまったり、あちこちをキョロキョロしてしまいます。逆に緊張して、動きがチマチマしてしまったりもします。

 そういう普段とは違う行動をプロフェッショナルは見ています。行動一つ一つを慌てずにゆっくりとする。周りの景色を捉えておく。例え不安でも大きく構える。その時の行動の目的をしっかり把握する。

 所詮は地球上に過ぎない場所。モノを盗まれたら、荷物が軽くなったくらいに考える。嫌だったらいつでも帰ればいいと思う。無意識の毅然とした態度は、自分の日々の暮らしでやっていること、その姿勢だけで、プロは次のカモを見つけに行くものです。

絶対大事なものは三つだけ

 テロとか無差別殺人なんて事件には巻き込まれたくはないけれど、そこまで考え始めたらキリがなくなります。旅でのリスクは外務省のホームページで、「海外安全虎の巻」という冊子をダウンロードできるので、ぜひ読んでおくといいと思います。

 毎年更新されるので、トラブル情報もとてもフレッシュ(?)です。他に渡航情報もチェック!現在はコロナの影響でほぼ海外に出入りは無理ですけど、こういう情報があることは絶対知っておいてほしいもの。旅行計画の初めにチェックしておくことを忘れないようにしましょう。

 

 外務省の職員は、数年ごとに世界各国へ移動しまくっています。そこでは日本人の安全を守るのも大事な仕事だから、様々なケースも生で感じて対処しているのですよ。体験談を聞くとなかなか面白いのですが、当事者なら面白いなんて言っていられないことが実際に起こっているのですよね。そんな内容が要約されたこの冊子、読んでいると怖くなって、海外なんて行くのが嫌になってくる。

 

 パッケージ旅行に行ったことがある人も、添乗員さんは、なかなか自由行動をさせてくれないような怖い話を聞かせてくることがある。この壁を壊さないと、自由旅行が難しいのもとっても分かる。それでも自由旅行を薦めるには、その魅力がどれだけのものか、行ってみないと分からないから。このジレンマ、行かないともったいないよ~~と心から思うので、事実を踏まえて、そうならないような旅の仕方を心得ていきましょう。

 

 さて、異国を旅するのに、大事なものは3つだけと心得ましょう。

 命、お金、パスポート。これだけ失くさなければ、旅は楽しく気楽に続けられます。大きなスーツケースにいろいろと便利なものを詰めても、殆どがなくても特に困ったりはしないものです。逆にモノが多いほど、管理が大変になります。

 スマホに何もかも入っているなら、命、スマホ、パスポートでもOKです。ちなみに私がスマホに何もかも入れるのを好まないのは、私は仕事でよく行く国際空港で、頻繁にスマホの忘れ物を拾うし、旅先で充電切れや、水没で大騒ぎする旅人に遭遇するからです。アナログ好きには言い訳も理由もあるんですよ(笑)。

お誕生日と言ったら、お花でテーブルを飾ってくれた。海外ではこういうサプライズがいっぱい!ジャマイカにて。
お誕生日と言ったら、お花でテーブルを飾ってくれた。海外ではこういうサプライズがいっぱい!ジャマイカにて。

海外ロケ番組は自由旅行風

 テレビではタレントさんや女優さんが、行き当たりばったりで勇敢な、でも楽しい旅をしています。羨ましいし、あ、私もって思ってしまいますよね。そう、そうやって旅に出ることはすごくいいことだと思います。私もいきたい国がどんどん増えています。

 けど、知っておいてください。番組はちゃんとした下取材も、映像のためのリハーサルもしています。考えても見てください。いきなり知らない人にテレビカメラを向けたりしませんし、撮影だって公共で流すのが目的なら、普通は許可が必要で、ましてやドローンなど勝手に飛ばせる場所は殆どありません。女優さんもちっちゃいスーツケースしか持っていないのに、毎日きれいに着替えているし、お化粧もして、髪形も決まっています。

 どこかを訪ねても、その取材相手がその日そこにいるかどうかだってわかりません。クルーや、アシスタント、通訳、などの複数人のグループなら、ホテルだって何部屋も簡単には取れないかもしれません。当然のことながら、通訳さんもコーデュネーターさんも付いています。過酷な体験はされていますが、実際には、安全面を考慮してスケジュール管理のもと作られているものです。行き当たりばったりは、経験と知識があってこそ出来るものだと認識してくださいませね。

ネットの中はもちろんのこと、公共の情報だって冷静に「見る」「考える」クセをつけよう。

 ネットの中には数多くのブログや旅行情報で溢れています。中には、ものすごい旅のプロが有意義な情報を提供していたりします。が、この宝箱の中にはたくさんのガラクタも詰まっています。冷静に客観的に見るクセをつけてください。旅行情報なんて3か月もたてば古くなる場合があります。また感覚的なことも影響するので、インスタグラムの画像を鵜呑みにしていると騙された気分になってしまうこともあるかもしれません。

 海外に行くと特に実感するのですが、いままで信じていた正義さえ、間違っていたのか?と問うてしまう場面に出会うことさえあります。海外旅行の前準備に、情報収集の際には冷静に見るを心がけてみてください。ポイントは「それ、ホント?」です。疑い深い敏腕刑事か探偵になったつもりで。ああ、でも嫌な奴にはどうかならないで下さいね。

自分の身は自分で守る!

 パッケージだろうが、何だろうが、旅の基本の基本は、保護下の子供を除いて、自分の身は自分で守るです。一人旅なら当たり前のことですが、複数で旅をするときもそれは同様です。大切な人との旅行であってもです。それは、相手を見捨てるということではないですよ。お互いのために自分自身を律するという意味です。人のことなんかどうでもいい、自分のことだけを考えろ!というと、とても乱暴な言い方で、優しさも思いやりもない非道の教えのように思われるかもしれませんが、取り違えて解釈しないでくださいね。皆が自分のことを自分で処理ができたのなら、誰もが自由に行動ができるということなんですよ。誰かの所為にしないということは、掛け値なしに自分の旅が楽しめることだと思いませんか?

 

 恋人やご夫婦でも同じです。どちらかが、どちらかに合わせることになったとしても、嫌々ながらだったら、別行動を選択したほうがきっとうまく行きます。ええっ!別行動なんて怖い!心配だ!と思うのなら、何が嫌なのかはもう答えが出ていると思います。旅は道連れと言いますからね。一人でも複数でも同じ、自分のことは自分が守るという気持ち、しっかり身につけましょう。下手に「俺に、私に、任せておけ!」みたいに見栄を切って、負担にならないように。周りが思っているより、きっとあなたは有能だし、あなたが思っているより、まわりはもっとずっと有能なものですよ。

主流の逆走なんだけどね、長文を使う脳みそも活性させよう!

 自分のすることには意味がある。ということを自覚する。これは安全な旅には大事な思考回路です。どういうことか、例えば、ラインなどのSNS。これらの機能は長文を嫌うので、短い言葉に要約するクセがついてしまいがちです。同じ感覚の仲間であれば、意思疎通が出来ている気になるのですが、少しずれたら、おおきな誤解になってることさえも気が付けない怖さもあります。問題が大きくなっても、悪気がなかったと平気で言える感覚がこれです。主語なくても成立する日本語の作りだと、誰が誰でもどうでも、ぼやーっとした思考で、思い込みの短いセンテンスで、相手も自分と同じように理解してるはずだと思いがちなんです。時々、え~っ、そういうことかぁ?って、全然違う意味だったりしてぞっとすることがありませんか?

 

 今どきは、スマホに話しかければ、みんな答えてくれるし、探してくれるし。AIの進歩はすさまじいですから、言葉の壁のなくなる日も近いかもしれません。便利を甘受するのは決して悪いことではないですが、自分の能力を落とすのももったいないです。インスタやフェイスブックをアップして、ラインしてと、あっという間に深夜!なんて生活も忙しいと思うのですが、自分のことは自分で守るの第一歩は、自分が主語で5W1Hをしっかりと組み立てて自分が何のために何をするのかを頭で意識すると自然と身についてくるものです。

 それは、ただでさえ言葉が通じない外国で、誤解なく、不快感なく、安全に日々の暮らし(旅)をエンジョイするための基礎でもあります。もし、日々の暮らしの中で、こうしたSNSツールを主に暮らしているなら、かなり気にしてちゃんとした文章で自分の行動を意識することを試してみてください。海外旅行に限らず、何か困ったりしたとき、あっどうしようと思った時、解決できる方法が理路整然と見つかるようになります。両方とも使いこなせたら鬼に金棒です。

5W1Hで知らぬうちのパニックを回避する

 英語の授業じゃあるまいし、いちいち5W1Hで話さねーよ。と言うなかれ。気ごころの知れた中で暮らしている時には気にならないけれど、海外旅行に行くと、あ、あたしって何てバカだったんだ!って細かい失敗にイラッとしたりするのです。それは未知なる国で一人旅なんてしているので、当たり前だって思いそうなのですが、特に変わったことをしているわけでもないのですよ。寝て、起きて、食べて、出かけて、ですからね。

 ある日、気が付いたのです。意識してこの話し方(考え方)をするとかなりスムーズな旅が楽しめる、逆にこの考え方がうまく出来なくて、混乱するときは、疲れている時だから休むというように、自分をコントロール出来るようになったんですよ。

夕日の美しいフィリピン・バラカイ島 ヨット パラセーリング 世界中からの旅行者で賑わう美しい島

 海外では、どうしても日本語以外で自分の要求を通さねばならない場面に出くわします。残念ながら日本語は世界広しと言えども、日本でしか使われていません。一般的に海外で何かを伝えるのには、やはり英語が主になります。たくさんの国からの旅行者たちと話す際もやはり英語になります。英語がというより日本語の方が特殊なので、海外に出た場合は5W1Hで考えられる思考が断然自分の意思を伝えやすくなります。

 自由旅行をしたくても出来ない人の理由に「言葉が出来ないから」とい理由がダントツ上位を占めています。が、今は小学生から、少なくとも中学から必修で習っている英語、実はさほどレベルが低いわけではないのです。

 しかし、残念なことに、大抵の日本人は自分は言葉が出来ないと思っているし、(私も)実際、本当に話さない人が多い(話せないではないですよ。)この理由については、いくらでも語学方法があるので、そちらで気に入った解決法を探して、ぜひ勉強のきっかけになれば良いと思いますが、ここで知って欲しいのは、自分の英語レベルは低くないと知って欲しいのです。

 大事なのは、日本語出来ますよ!という外国人が、「トイレどこですか?」だけでも「出来ますよ」と言えるこの感覚です。殆どの日本人は、「これいくらですか?」とか「トイレどこですか?」って英語で言える?と聞けば、そのくらいは出来ますよと答えます。OKです。英語?出来ますよ。と次からはそう答えてください。そう答えられる感覚が旅では大事なのです。

 世界中の人が英語を話すわけではないですし、英語検定のために旅するわけでもないのです。とにかく最低限の自分の欲求が平和に伝わればそれが言葉であり、会話です。行って困れば、人はすごい能力を発揮します。「案ずるより産むが易し」。日本には良い諺がたくさんあります!

ニューヨーク・マンハッタン 大都会ならでは 人種のるつぼだった

 自由旅行は、日常の生活が出来ることと書きました。が、無意識に出来るはずのことが、勝手が違う外国では戸惑ってしまいます。電車の乗り方、メニューの頼み方だって、食品サンプルや写真付きメニューを見慣れた私たちにはなんとも不安です。チップとかもどうしたらよいか分からない。

 日本にいれば、自動販売機や券売機、スーパー、コンビニ、一日中だれとも話さないでも事足りる日もあります。この無意識を意識して5W1Hで過ごしてみてください。英語で組み立てる必要はありません。日本語でOKです。

 「私はこれから買い物をするために、〇〇線に乗って△△駅まで行きます。乗り換えは◇◇駅が便利で後ろの車両が近かったな。」「私はお腹が空いてきました。きょうの気分は××が食べたい。この辺で××が美味しい店はあるでしょうか? そうだスマホで検索してみよう。」

 アホみたいですが、旅行は常にこんなことの繰り返しです。今は殆どの旅行者がスマホを見ながら旅をしています。ただ、旅行の楽しさは、目的地に行くまでのすべて、景色、音、匂い、どれもが面白く、発見や出会いも多い、まさにそこが自由旅行の宝石箱です。出来る限り、スマホの画面から離れて、リアルな体感を楽しみたいですし、結果それが、犯罪者たちにカモネギだなと悟られない防止にもなると思いますよ。

 

 5W1Hを意識すると、普段当たり前に行っていることが、実はすごくたくさんの情報を持って、たくさんのことを考えて行動してることに気が付きます。自分の脳みそがフル稼働して、想像しうる危険から回避していたり、電車の乗る位置に代表されるように、実に効率の良い行動をしていることに気づくはずです。それが意識できればOKです。

 

 見知らぬ国に旅に出ても、あれもこれも、どうしようが、落ち着いて、必要な情報を先まで整理できると、カタコトでも使える単語をピックアップすることができます。慌てずに順序だてて自分の行動が把握できます。不慣れな場所でスマホをいじったり、まごまごするくらいなら、お茶でも飲んでゆっくりと道行く人を眺めながら調べものをするのもいいアイデアです。

 

 5W1Hを意識するだけで、自分が今何が必要で、何をすべきか、自身に問いかけができるのです。えー!そんなバカなって思うかもしれませんが、海外旅行って、時差もあるし、言葉も違うし、脳みそにはすごいストレスがかかっているのですよ。普段は自然に出来ることが全くできなくなっていても少しも不思議ではないのです。着いた最初の入国審査だってドキドキ。ガイジンが手招きしてるんですから!自分の名前だってあわあわしちゃったりするんだから笑っちゃいます。

 

 「私は迷っている。ここはどこ?」 「私は迷っているが、急ぎではない。しばらく町歩きを楽しんでそれからどうするか考えよう。」「私は急いでいる。〇時のバスに乗りたい。誰かに聞く。そのためには、店を探す、歩いている人を探す?なんて聞けばいいんだろう・・・」「この人、何を言っているのだろう。わからない。私はバス停を聞きたいだけなのに・・・」頭で文字にする、もう、日本語でもいいから言葉にしてつぶやいてみてください。自分のすべき行動が整理されると、不思議なくらい問題は解決していくものだと旅先で必ず実感しますよ。これはもう、やってみるしかないですね。不安ですか?大丈夫、すぐに楽しくて仕方がなくなります。

で、海外は危険なんですか?

 海外に限らず、危険はいつも周りにあるものと思えば、そう恐れることはないと思っています。ただし、まだニューヨークがあまり治安が良くなかったとき、一人でソーホー近くのゲストハウスに泊まり、危険と呼ばれた地下鉄を使いこなし、夜な夜なブロードウエイだの、JAZZクラブだのと夢を実現していた時がありまして、その時、駐在していた日本人に、「帰国しても、安全だったと言わないでくれ。」と頼まれたことが今でも記憶に残っています。えっ?何で?と怪訝な顔を見せたのですが、「そういうことを言うと、日本の生活のままやってくる日本人が犯罪に巻き込まれて、生活している我々がとても迷惑することがある。」と・・・。迷惑がどういうことか分からなかったのですが、確かにある地下鉄の路線はかなり気持ち悪かったし、(どの駅も昼間だと言うのに極端に人影が少なく、人種のるつぼのニューヨークでなぜだか黒人しか乗車していなかった。)駅に降りる階段にホームレスが何人も横たわっていたりする地下鉄の駅があったりもした。

 

 夜は、ちょっとおしゃれなワンピースを着たりしたが、靴はいつでもダッシュできるように、スニーカーだったし、JAZZバーのステージは、大抵深夜になるので、事前に店の前までタクシーを予約していた。

 

 『安全と言うと日本の生活のままやってくる日本人』というのは、危機感のない無邪気なという意味だったと思う。必要以上に怖がることはないと思うが、その国の常識というのは旅の準備の必須だろうと思う。例えば、アジアで子供の頭をなでる行為が禁忌だったり。そうそう、電車でよく化粧をしている女性がいますが、あれ、ある地域では、春を売っている人です。それで、もし怖い思いをしたとしたら、どっちが被害者かわかりません。

 日本でちゃんと生活出来ている人は、どこに行ってもちゃんと生活が出来る人と言えると思います。そして、曖昧を回避することです。特に女性、外国の女性は、ノー!と強くはっきり言って、サンキューと優しげに続けます。これ、有無を言わさず、無下にもせずの絶妙のカッコよさで言います。身につけたいイントネーションです。イエス、ノーをはっきり言わず、曖昧な笑顔でごまかすのは、すごくよくある光景ですが、外国では危険を誘う行為に入ります。アバンチュール狙いなら割といいセンかもしれませんが、それはどうぞ自己責任でお願いいたしますね。

今回はここまで。

次回は具体的な身を守る方法について書いてみようとおもいます。

海外旅行のヒントをつかむために

自由に旅に出たい。こんなこと、あんなこと、それはちょっとしたヒントで誰でもできることです。

準備の仕方や、考え方、ルートの選び方や、語学の不安などなど。国際感覚や、異文化の味わい方まで、エピソードを交えてご紹介。質疑応答の時間もたっぷりです!さあ、背中に羽を生やしましょう!